太陽の誕生は何年前?地球誕生との関係や寿命やコロナの謎までわかりやすく

Pocket

太陽の誕生

46億年前、銀河の片隅で私たちの太陽が宇宙のチリから誕生しようとしていました。

太陽系の渦の中心で太陽が輝き始めた頃、周りには無数の微惑星が形成されていきました。
地球はこの微惑星群が衝突を繰り返しながらできたと考えられており、太陽と地球は同じ血を分けた、いわば兄弟なのかもしれません。
原始の地球はこの微惑星の激しい衝突でできた灼熱の惑星でしたが、この星は太陽の力といくつかの偶然によって、生命の星へとその姿を変えていきました。
しかしそれは偶然ではなかったのかもしれません。

太陽系には時を同じくして9個の惑星が誕生し、いずれも同じガスの雲から生まれた太陽の分身達なので太陽系惑星は太陽と一心同体と言ってもいいでしょう。

しかし、地球だけは他の惑星と違う運命をたどることになります。
地球と他の8つの惑星との決定的な違い、それはの存在で海が無ければ生命の繁栄は有り得なかったのです。
水の材料はかつてどの惑星にもありましたが、それが常に液体の形で大量に存在できたのはこの地球だけだったのです。

金星

例えば、地球とほぼ同じ大きさで、地球軌道の約4000万km内側を回る金星があります。
この星は、全体が熱い二酸化炭素の雲に覆われた気温摂氏470℃という灼熱の惑星で、気圧は90気圧もあるため、ここでは太陽に近すぎて海は存在することができません。

火星

一方で約8000万km外側の軌道を回る火星には、かつて大量の水が存在していた痕跡があります。しかし、星が冷えてしまった現在は温度がマイナス60℃と低すぎてしまい、水があっても凍ってしまいます。

バイオスフィア

ある恒星系で生命が地球のように存在できる太陽からの距離範囲をバイオスフィアと呼び、地表の温度が0〜100℃、つまり水が存在可能な範囲です。

私たちの太陽系では地球と太陽の距離を1とすると、0.9から1.2がその目安で、大気温だけなら火星もぎりぎりバイオスフィアに入りますが、火星では例え海が存在できたとしても、小さすぎて大気を繋ぎ止めておくには引力が弱すぎるため、生命が繁栄するのは難しいとされています。

地球は大きさ(適度な重力)でも幸運に恵まれ、年間の平均気温15度、太陽からの絶妙な距離が地球に海を作り、太陽は気まぐれにもこの太陽系で地球にだけ微笑んだのです。

太陽のパワー

地球が受け取っているのは太陽が発しているエネルギーのたった20億分の一です。

太陽は推定年齢46億年、広い宇宙の中ではごく平均的な恒星です。
しかしその素顔は母なる太陽という穏やかなイメージからは想像できない、時に荒々しい父親のような振る舞いを見せます。

例えば太陽の表面は約6000度で、内部から湧き上がってきた熱いガスの塊である粒状斑で覆われており、この一粒一粒が直径約1000kmもあり、約8分ほどで消えて行きます。

表面に見える黒い部分は黒点で、周囲より1500度ほど温度が低いため、黒く見えており、黒点が多い時は太陽の活動が活発な時で、肉眼ではおとなしく見える黒点も、X線で見ると激しい活動をしていることがよくわかります。

黒点同士が太陽の磁力線に沿ってガスの帯で結ばれています。黒点は磁力によってできるので、必ずN極S極ペアになって出現します。太陽の内部では粒子の運動によって強い磁場が生まれ複雑に動いており、黒点をはじめとする太陽表面の現象は全てこの磁場の作用によって生み出されると考えられています。

フレアは磁力線の衝突が原因で起こる大爆発で、このフレアが起こると強力なX線や紫外線・電波、それに大量の電気を帯びた粒子などが発生し、地球にも影響を及ぼすことがあります。
1度の爆発で放出されるエネルギーは、地球に届くエネルギーの約1年分になります。

プロミネンス

太陽表面から激しく燃え上がるプロミネンス。太陽内部の磁力線が持ち上げるこのガスの塊は、大きなもので高さ10万kmを超え、太陽の強大なパワーの象徴です。
国立天文台野辺山のヘリオグラフは太陽観測を専門に行う世界でも有数の電波望遠鏡で、84個の目が太陽を追い続けています。
※直径500mの望遠鏡があったとして、それと同等の能力を発揮します。
そのヘリオグラフが1992年7月31日巨大なプロミネンスを捉えました。
全体を見ると、そのとてつもない大きさがわかます。

1億5000万kmの彼方で46億年の間一瞬も休むことなく輝き続けてきた天体で、太陽は母と呼ぶにはあまりにも荒々しい姿をした星なのです。

太陽の正体

はるか1億5000万kmの彼方で、激しく輝き続ける太陽。
その莫大なエネルギーは想像を絶する世界で生み出されています。

太陽は直径が地球の109倍質量は約33万倍の星、これだけの質量と直径を持つ天体の表面では引力も極めて大きく、例えば地球で体重60kgの人は、太陽では約1.7tにもなります。

輝くことができるのは、十分な重さを持った星だけで、それは私たちの日常感覚を遥かに超えた重さです。
そんなに重い太陽は一体何でできているのか・・・それは、太陽は巨大な水素の塊です。
水素は、宇宙の物質の約93%を占めるもっとも簡単な形をした最も軽い物質です。
しかし、極めて軽い水素原子も想像を絶するほど大量に集まるととてつもなく重くなるのです。
重くなったガスの内部では水素がものすごい力で圧縮され始め、原子の運動スピードが上がり、それに連れて温度も上昇します。
温度が1万度に達すると水素の陽子と電子はプラズマと呼ばれるバラバラ状態になり、さらに圧縮されると陽子がくっつきあって4つの水素から1個のヘリウムができます。
この時できたヘリウムは材料となった水素4個より少し軽くなっており、この軽くなった分が実はあの莫大な太陽のエネルギーに変わるのです。
これを核融合反応と言い、太陽はこのエネルギーで輝いており、質量がエネルギーになると凄まじいパワーを生むということがわかります。
1gの水素が100%エネルギーに変わると、その熱量は石炭1gを燃やした時の約2500万倍に相当します。
太陽の中心部では毎秒約400万tの質量が、エネルギーに変わっており、太陽はその重さゆえに莫大なエネルギーを生み出しているのです。

太陽から来る謎の物体

太陽からやって来る不思議な物体は100万年後の地球を予言しているという。

岐阜県神岡町富山市と飛騨高山の中間に位置するこの山の中に太陽を見つめる不思議な天文台がある。地中1000mの深さに掘った巨大な穴の中で1億5000万km離れた太陽の中心での活動を観測しようというのだ。
このスーパーカミオカンデと呼ばれる観測装置は直径40m高さ40mの円筒形の水槽で、その内側には光電子増倍管と呼ばれるガラスの目が一面に張り巡らされている。

ごく微弱な光を検出できる光電子増倍管と呼ばれる装置を壁中に約11200本張り巡らせ、重さ5万トン分の超純水を満たして太陽から来るニュートリノを検出しようとしているのです。

ニュートリノとは星の中心で核融合反応が起こった時に放出される素粒子で、重さも電荷も持たない幽霊のような物質で、あらゆるものを通り抜けて直進するという性質を持っており、当然私たちの体も通り抜けています。
地下1000mまでやって来る素粒子はニュートリノ以外に無く、それをここでキャッチしています。
ニュートリノを直接見ることはできないが水中の電子を直撃すると微かな光を放つ為、この光が幽霊存在の証拠になります。
このニュートリノの観測によって不思議なことがわかっってきています。
実は、太陽の中心でできたエネルギーが表面に辿り着くまでには約100万年かかると考えられており、今私たちを支えている太陽の熱や光は遥か昔に太陽の中心でできたもです。
一方ニュートリノは太陽の中心から8分ほどで真っ直ぐに地球にやって来ます。
つまりニュートリノは同時に生まれた太陽のエネルギーより100万年早く地球に辿り着くので、遥か未来を予言する物質だとも言えます。
そして、その太陽からやって来るニュートリノの数が、理論で予想された数の約半分であることが明らかになりました。
果たして100万年後の地球に大異変が起こるのか、あるいは、太陽に関する現在の常識が間違っているのか、更なる研究が進められています。

太陽の内部構造は現在このように考えられています。
中心の半径10万kmが核で、核融合反応はここで起きており温度は1500万度に達します。
その周りの40万kmは熱を表面に伝える放射層です。
次の20万kmは約100万度の対流層と呼ばれる部分。
そしてその外側が肉眼で見ている厚さ400kmの薄いガスの層光球です。
光球の周りにも太陽は広がっていて、彩層は太陽の大気で厚さ3000kmもありますが、明るい光球のせいで普段は見ることができません。

彩層とその外に伸びるコロナは特別な日に姿を現します。
特別な人は皆既日食で、一瞬のダイヤモンドリングの後、白いコロナが姿を現します。
コロナは太陽の西と東の方向へ真っ直ぐに伸びていて、とても美しい姿をしていますが、実はこのコロナ、太陽最大の謎なのです。

コロナの謎

そして太陽最大の謎、コロナがその神秘の姿を現した。

太陽のコロナは何かというと非常に温度が高いガスで、太陽の本体温度約6000度に対して、コロナは約100万度以上もある超高熱のガスです。
普通は内部温度より外部温度が低くなって当然ですが、それが逆に100万度という非常に高温になっており、人類はまだその謎をまだ解明できていません。

その謎が解明できれば核融合で人類がエネルギーを得る道が広がるかもしれないと科学者たちは考えています。

コロナの大きさにも違いがあります。
数年に一度、皆既日食で観測されるコロナを比べてみるとその形には違いがあることがわかります。
太陽の活動が活発な活発期と、活動の鎮静期があり、太陽は11年の周期で活動の極大と極小を繰り返しています。

活動の盛衰は黒点と深い関係があり、例えば17世紀に黒点の無い時代が約70年続き、その時は小氷河期が訪れました。
世界的に流行したペストも無関係では無いという研究もあります。
現在でもこのような太陽の激しい活動は地球の磁場に強烈な影響力を持ち、大停電を引き起こすことがあります。
まさに地球は太陽と運命を共にしている惑星なのです。

地球というシステム

太陽からは私たちの体に有害な物質が絶えず降り注いでいます。
しかし、地球は驚くべきシステムで私たちの体を守ってくれています。

太陽からは光や熱といった私たちに必要なものだけがやってくるわけではありません。宇宙は生命にとってとても過酷な世界で、地球を離れた瞬間、太陽は狂気の存在に変わります。
可視光線より波長の短い紫外線X線、そして、フレアによって生じる太陽風と呼ばれる粒子は生物の遺伝子を破壊し、熱も放っておいては逃げてしまいます。

しかし、地球は実に巧妙なシステムで問題を解消しています。
地球の大気は私たちの呼吸に必要なだけでなく、太陽からの有害な物質だけをカットし、熱は外に逃さないようにしているのです。

オーロラ

さらに地球は太陽風を素敵な贈り物に変えてくれます。
地球は巨大な磁石になっていて、太陽風が地球全体に降り注ぐのを回避していてくれていて、回避された粒子は加速されて南極と北極に突入し、大気とぶつかって空に光のカーテンを描き出す。
そうそれがオーロラです。

太陽の寿命

マウナ・ケア天文台地上約4200mで広大な宇宙空間を見つめる地球の最前線基地。
ここでは様々な過程にある星たちを見ることができます。
現在の太陽、そして地球の姿は宇宙のサイクルで言えば、ほんの一瞬の仮の姿です。

星は宇宙に漂う水素ガスが集まって生まれ、集まったガスは渦を作り、遠心力によって円盤状になります。
やがて薄くなった円盤の中心で核融合が起こり、星は輝き始めます。
この時集まったガスの量で、星の一生はすでに決まっており、重い星ほど激しく輝き寿命は短いのです。
水素を使い果たした星は、あるものは燃え尽きて縮み、またあるものは爆発して元の宇宙のチリに還ります。

今から50億年後、私たちの太陽にもその時がやって来ます。
寿命が近づくに連れ太陽は大きく膨れ上がり、その表面は金星の軌道にまで達します。

Copy Protected by Chetan's WP-Copyprotect.