ベテルギウスの爆発はいつ?明るさや地球への影響はどうなる?

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ベテルギウスとは

今、爆発間近と言われるベテルギウスを世界の天文学者が注目しています。
赤く輝く一等星、この星が間も無く死を迎え、消えてしまうと言うのです。
地球からの距離は約640光年と比較的近く、爆発すると強力なガンマ線が放出されると予測されており、果たして地球への影響は。

最近の研究から、これまで知られていなかった真の姿が浮かび上がってきています。
直径は太陽のおよそ1000倍の赤色巨星、変光星で明るさが変わる星なので昔から天文学者の間で研究が進められてきました。

明るさが変わる?

アフリカの南端、喜望峰、19世紀イギリスはここに天文台を建設しました。
当時、航海には星の位置を正確に知ることが欠かせませんでした。
そこで、南半球から見える星々の観測がこの天文台で行われました。

イギリスの天文学者、ジョン・ハーシェルはひときわ明るいベテルギウスに興味を持ち観測を続けました。

夜空の星々を明るい順に記録していたハーシェルはオリオン座のベテルギウスに奇妙な事実を見出しました。4年間の観測の結果、1836年3月には4番目に明るかったベテルギウスが、8ヶ月後の11月には一番明るくなっています。これにより、オリオン座のベテルギウスが明るくなったり暗くなったりしていることを発見したのです。

明るさはなぜ変化するのか、これをきっかけにベテルギウスの長い長い謎解きが始まりました。

「ベテルギウス」の画像検索結果

大きさは?

それからおよそ80年後の1920年にアメリカロサンゼルス郊外にあるウィルソン山天文台で新たな発見がありました。

物理学者のアルバート・マイケルソンはベテルギウスの明るさが変化するのは星自体の大きさが変わっているためではないかと考えました。

様々な観測からベテルギウスは太陽の300倍もある巨大な星だとマイケルソンは発表しました。しかし明るさの変化の謎は解けませんでした。

その謎が解けたのはマイケルソンの観測からさらにおよそ40年後のことです。

精密な観測によるとベテルギウスの直径は最大で14億キロメートルで太陽の1000倍にもなります。
太陽系と比べてみると、地球の軌道をはるかに超え、木星の近くにまで達します。
しかも大きさは1億キロメートル以上も変化していました。
ベテルギウスは脈動し明るさを変える巨星だったのです。

関連画像

ベテルギウスは晩年の星なので脈動が激しく、熱くなると膨らみ、膨らみすぎると冷えて縮むという特徴をもっています。

しかも最近の研究ではベテルギウスは丸では無いということがわかってきています。

形はコブが秒速10kmなど早いスピードでランダムに動き、太陽4000万個分の巨大なコブが飛び出た異形な星でした。

太陽の内部では常に対流が起きていて、ちょうど鍋でお味噌汁を煮込んだ時と同じように表面に対流がする様子が現れてきます。
ベテルギウスの場合は、内部の対流速度が速すぎて、外に盛り上がってきてしまうのです。

爆発したら見える?

超新星爆発といえば、幕末の貴族、藤原定家の日記「明月記」にもその描写が残っています。
西暦1054年に見えた超新星爆発は、現在かに星雲(下の画像)という名前がついて、その残骸が星雲になっており、この時と似たような爆発が起こる可能性が高いと言われています。

ベテルギウスが爆発した時、地球からはどのように見えるのでしょうか。

爆発直前になると、温度が急上昇している為、色は赤から青に変わります

爆発から1時間後、ベテルギウスはどの星よりも明るく輝き、誰もがその異変に気付くようになります。

爆発から3時間後、明るさはさらに増し満月のおよそ100倍の明るさで輝き、たとえ昼間であっても青空の中に明るくきらめきます。

なんと、その明るさはおよそ3ヶ月間も続くと予想されています。

ベテルギウスの周りでは死ぬ間際に放出されたガスが、超新星爆発の強烈な光を受けて輝き、幾重にも取り巻くガスが、大輪の花のように見えることでしょう。

4ヶ月経つと、温度が下がり、星の色が変わり始め、色が青からオレンジになります。

時がが経つにつれ、さらに温度はさらに下がり、色は赤く、そして暗くなっていきます。

4年後、ついにベテルギウスは肉眼で見えなくなり、オリオン座はベテルギウスを失ってしまうことになります。

そして、爆発から数百年後には、散り散りになったベテルギウスの残骸と、遥か彼方で光を反射するガスの星雲を目にすることができるでしょう。

超新星はいつ?影響は?

地球が属するこの天の川銀河系で超新星爆発が見られたのは1604年のケプラーが観測した超新星まで遡るので、約400年前から観測できていません。

天体ショーのような華やかなイメージが強いですが、悪影響を及ぼす可能性も無いとは言えず、怖いのは爆発時に出すガンマバーストと呼ばれるガンマ線です。
遥か昔には地球の生命に影響があったのではないかという研究結果もあり、ベテルギウスの場合も現在調べられています。

4億4000万年前、大繁栄していた三葉虫の多くの種が突如絶滅しました。
その理由は超新星爆発による放射線が生物に致命的な影響を与えたからだという説もあります。

当時、多くの生物は海にいました。中でも最も繁栄していたのが三葉虫です。この三葉虫の中でも海面近くに住む種だけが、4億4000万年前を境に絶滅したことが知られています。これが超新星爆発の影響と考えました。

巨大な星が死ぬ時の超新星爆発でガンマ線という強烈な放射線が放たれます。ガンマ線の直撃によって引き起こされる地球環境の変化を理論計算から導きだしたところ、当時、強烈なガンマ線によって最大で35%ものオゾン層が破壊され、完全に回復するまでに10年近くはかかったのではないかと考えられています。

三葉虫絶滅のシナリオです。地球は元々オゾン層によって太陽の強烈な紫外線から守られています。超新星爆発によるガンマ線が地球を直撃するとオゾン層が破壊されます。すると、太陽の有害な紫外線が地表や海面近くに降り注ぎます。その結果、海面近くにいた三葉虫だけが絶滅し、紫外線が届かない深い海に住む三葉虫は生き延びたと考えられています。

ガンマ線の直撃を受けるとオゾン層が損なわれます。太陽からの強烈な紫外線が長い間降り注ぐことになり、生物のDNAやタンパク質が傷つき、ついには絶滅が引き起こされました。

間も無く起きるというベテルギウスの大爆発、果たして私たちは大丈夫なのでしょうか。実はこれまでの研究から、星が死ぬ時に強力なガンマ線が放射されるのは自転軸から角度にしておよそ2度以下だということが知られています。つまり、ベテルギウスの自転軸が地球に向いているかどうかがカギを握ります。

自転軸がどこに向いているのかを観測する為、ハッブル宇宙望遠鏡がベテルギウスに向けられました。

ハッブルはベテルギウスの表面のいくつかの点について、どれくらいの速度で動いているかを測定しました。その結果、ベテルギウスの自転軸の向きが初めて明らかになりました。

地球に対して自転軸は20度ズレていたのです!!!(微妙に結構危ない!!!)

ガンマ線に関しては今の所大丈夫だ思われていますが、自転軸が変化することも十分考えられるので実際何が起こるかはその時になってみないとわかりませんね。

ベテルギウスの場合は、既に寿命の99.9%を終えていると推測されており、ほとんど末期に入っていると考えられています。400年ぶりに超新星爆発がライブで見られるのでは無いかと、期待が高まっています。

ニュートリノは検出できる?

理論上、超新星によってニュートリノが放出されると予測されていましたが、初めて観測ができたのは、マゼラン雲で1987年に起きた超新星で、スーパーカミオカンデで有名な日本小柴教授がノーベル賞を受賞しました。

今現在もスーパーカミオカンデが待ち受けている状態です。

「カミオカンデ」の画像検索結果

爆発する直前に対流している赤い部分が無くなり、中心にある高温で青白い部分が見えてくると予測されているので、色が変わることが超新星爆発の兆候になるかも知れませんね。

続報が入りましたらまたお伝えしていこうと思います。

コメント

  1. nobu より:

    非科学的な話で申し訳ないのですが
    爆発時期に関連する事で気になる記事があるので紹介させていただきます。
    新約聖書ヨハネ黙示録18章より引用
    18:1この後、わたしは、もうひとりの御使いが、大いなる権威を持って、天から降りてくるのを見た。地は彼の栄光によって明るくされた。
    18:2彼は力強い声で叫んで言った、{倒れた、大いなるバビロンは倒れた。
    そしてそれは悪魔の住む所、あらゆる汚れた霊の巣くつ、また、あらゆる汚れた
    憎むべき鳥の巣くつとなった。以上抜粋
    これは、人類の終末期に起きる出来事の一部を描写したものですがベテルギウスの
    超新星爆発は、地球上を明るく照らすほどであると考えられている所から
    この時ちょうど爆発の真っ最中であるならば、このように表現できると考えます。

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