地球はなぜ自転する?回り続ける理由と23時間56分の不思議

太陽に照らされた昼側と暗い夜側が見える宇宙からの地球

毎日、太陽が東から昇り、西へ沈む。その舞台になっている地球自身も、休まず回っています。「地球はなぜ自転するの?」「何が回し続けているの?」と考えると、当たり前の一日が少し不思議に見えてきます。

地球の自転は、誕生したときに受け継いだ回転が、強いブレーキを受けずに続いているものです。ただし、速さが永遠に一定というわけではありません。回り始めた理由、回転を感じにくい理由、23時間56分と24時間の違いを順番に見てみましょう。

この記事のポイント

  • 自転の始まりには、地球を作った材料の運動と衝突が関係する
  • 回り続けるために、毎日新しい力で押す必要はない
  • 遠くの星を基準にした1回転は約23時間56分
  • 自転速度は少しずつ変動し、長期的には遅くなる傾向がある

地球の自転とは?公転との違い

自転とは、地球が北極と南極を結ぶ軸のまわりを回ることです。一方、太陽のまわりを移動する運動が公転。地球は、この二つの運動を同時に続けています。

地球の自転は西から東へ進みます。そのため、地上の私たちには、太陽が反対向きの東から西へ動いて見えます。太陽に照らされる側が昼、反対側が夜になり、地球が回ることで同じ場所にも昼と夜が巡ってきます。

運動 何のまわりを回る? おおよその周期 身近な現れ方
自転 地球自身の軸 遠くの星を基準に約23時間56分 昼夜の交代、星の日周運動
公転 太陽 約365日 一年の周期、季節ごとに見える星座の変化

季節が生まれるのは、公転に加えて地球の自転軸が傾いているためです。「自転だけで季節が変わる」と覚えないようにすると整理しやすくなります。参考:NASA「Facts About Earth」

地球はなぜ自転する?始まりは誕生時の運動

地球を含む太陽系の材料は、もともと動き、回転していたガスやちりでした。その中で小さな天体ができ、衝突と合体を重ねて惑星へ成長したと考えられています。

このとき、材料が持っていた回転に関係する量である角運動量が、できあがる惑星にも受け継がれました。さらに、天体同士の衝突が中心からずれて起これば、回転の速さや向きにも影響します。

たとえば、回転できる台の端を横から押すと台が回ります。押す位置が中心からずれることが、回転につながるわけです。地球の誕生ははるかに複雑ですが、「何も動いていなかった地球が、突然ひとりで回り始めた」という出来事ではありません。

参考:JAXA「地球はどうして自転するのですか?」「なぜ、地球は自転、公転をしているんでしょうか?」

なぜ止まらず回り続ける?コマとの違い

机で回したコマは、やがて止まります。軸と机の摩擦や空気抵抗によって、回転のエネルギーが熱などに変わるからです。

ところが、宇宙の地球には、コマの先端を支える机がありません。身近なコマのように回転を急速に止める接触面がないので、誕生時からの回転が長く保たれます。

ここで大切なのは、運動を続けることと、運動を変えることの違いです。回転を維持するために、太陽がモーターのように地球を毎日押し続ける必要はありません。回転を変える作用が小さければ、その状態は保たれます。参考:国立天文台「地球はどうして回り続けているの?」

ただし、「ブレーキが一切ない」「絶対に同じ速さで回る」わけではありません。月などによる潮汐の影響は、長い時間をかけて地球の自転を変えています。この点は後で詳しく説明します。

地球の自転速度は?なぜ回転を感じないの?

赤道の周囲は約4万kmです。これを約24時間で一周すると考えると、赤道上の地面の速さは時速約1,670kmになります。これは地球全体が一方向へ進む速さではなく、赤道上の地点が自転によって移動する速さです。

同じ一回転でも、極に近づくほど描く円が小さくなるため、地表の移動速度は小さくなります。「地球のどこでも時速1,670km」というわけではありません。参考:NASA Cosmicopia「Speed of Earth’s Rotation」。数値は赤道周長と一日の長さからの概算。

それほど速いのに感じにくいのは、私たちも建物も周囲の大気も、基本的に地球と一緒に回っているからです。滑らかに走る電車では、窓の外を見なければ速さを感じにくいことと似ています。体が感じ取りやすいのは、速さそのものより、発進・急停止・方向転換などの変化です。

もちろん回転は向きが変わる運動なので、効果がゼロではありません。赤道での自転による加速度は、上の概算値から約0.034m/s²。重力加速度の約0.3%という小ささです。その影響は日常の「回されている感覚」より、重さや大気の運動などを調べると現れてきます。

自転は23時間56分なのに、1日が24時間なのはなぜ?

「1回転したら一日では?」と思いますよね。実は、何を基準に一回転を数えるかで時間が変わります。

  • 遠くの星を基準にする:地球がほぼ同じ向きを向くまで約23時間56分。
  • 太陽を基準にする:太陽が再び同じ子午線を通るまで、平均で約24時間。

地球が自転する間にも、公転によって太陽に対する位置が少し進みます。そのため、星に対して一回転しただけでは太陽の方向がまだそろわず、地球はもう少し余分に回る必要があります。その差が約4分です。

つまり、23時間56分と24時間は矛盾ではありません。星を目印にした回転の時間と、太陽を目印にした一日の時間を比べているのです。なお、太陽を基準にした一日の長さも、実際には年間を通して一定ではありません。参考:国立天文台暦計算室「1日の長さ」

地球の自転はいつか止まる?速さは少しずつ変わる

地球の自転は、長期的には潮汐摩擦の影響で遅くなる傾向があります。月や太陽が生み出す潮汐に伴ってエネルギーが失われ、地球と月の間で角運動量のやり取りも起こるためです。

一方、短い期間では、大気や海、地球内部の運動、水や氷の分布の変化などでも自転速度が変わります。毎年必ず同じ割合で遅くなるわけではなく、速くなる時期もあります。

そのため、現在の変化をそのまま未来へ延ばして「何年後に自転が止まる」と断定することはできません。日々の微小な変動と、突然止まるという想像は別の話です。参考:国立天文台「1日の長さは変化しているの?」

月が海を動かす仕組みは、潮の満ち引きの仕組みと、大潮・小潮の違いでも紹介しています。

地球の自転についてよくある疑問

ジャンプすると、地面だけ先に進んでしまわない?

跳ぶ前から、私たちの体も地面と一緒に動いています。空中に出た瞬間に、その横向きの運動が消えるわけではありません。走る電車の中で軽く跳んでも、車両の後ろへ大きく置き去りにされないのと似た考え方です。

地球と金星は同じ方向に自転している?

金星は地球と逆向きにゆっくり自転しています。惑星の回転には、それぞれの形成や、その後に受けた作用が関係します。金星独特の一日の長さは、金星の自転はなぜ逆?243日と117日の違いで詳しく解説しています。

自転している証拠を身近に見られる?

夜空の星が時間とともに移動して見える日周運動は、地球の自転を反映しています。星が止まっているように感じる短い時間でも、少し間を置いて同じ方向を見直すと、空の景色の変化に気づけます。

まとめ:一日の中に地球誕生の名残がある

地球が自転する始まりには、材料の運動と、天体同士の衝突・合体が関わっています。そして今も回り続けるのは、回転を急速に止める作用が小さいためです。

遠くの星を基準にすれば約23時間56分、太陽を基準にすれば平均約24時間。さらに自転速度はわずかに変動します。毎朝の日の出は、誕生から続く地球の運動を、私たちが地上で見ている姿なのです。

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