夜空を見上げたら、月の周りに虹のような輪が見えた。白い大きな輪の日もあれば、月のすぐそばが虹色ににじむ日もあります。
月の周りに虹が見えるのは、月の光が雲の中の氷の粒や小さな水滴によって曲がったり、広がったりするためです。大きな輪は「月暈(げつうん)」、月の近くの小さな色の輪は「光環(こうかん)」の可能性があります。
- 月から離れた大きな輪 → 月暈の手がかり
- 月のすぐ近くの小さな虹色 → 光環の手がかり
- 月と反対側の空にできる虹 → 月虹という別の現象
この記事では、似た名前の現象を整理し、見つけやすい条件やスマホで撮るコツを紹介します。写真だけで断定できない場合もありますが、観察するポイントが分かると夜空がもっと楽しくなります。
月の周りの大きな輪は「月暈」
薄い雲の中の氷が、光を曲げている
月暈は「月のかさ」とも呼ばれます。空の高いところに薄い雲がかかり、その中にある細かな氷の結晶を月の光が通ると、進む方向が変わります。これが屈折です。
たくさんの氷の結晶から届く光が重なることで、月を中心とする輪が見えます。月そのものの周りに輪ができたのではなく、地球の大気の中で光が変化しているのです。
気象庁も、暈を「上層の雲の氷晶によって太陽や月の周りにできる光の輪」と説明しています。昼に太陽の周りにできるものは日暈(ひがさ)です。
代表的な輪は、月から約22度のところに見える
よく見られる月暈は「22度ハロ」と呼ばれます。22度は月から輪までの見かけの角度、つまり輪の半径です。空で見ると、月の大きさに比べてかなり大きな輪になります。
条件によって白っぽく見えたり、内側に淡い赤みが見えたりします。色がはっきりしないからといって、月暈ではないと決めることはできません。
月のすぐ近くの虹色は「光環」かもしれない
月の周りに小さくまとまった色の輪があり、薄い雲が流れると模様や大きさが変わる。そんな場合は、光環の可能性があります。英語ではコロナと呼ばれます。
光環は、主に雲の小さな水滴によって光が回り込む「回折」という働きでできます。水面の波が障害物の向こうにも広がるように、光にも波として広がる性質があると考えるとイメージしやすいでしょう。
月の近くが青白く、その外側に赤褐色の縁が見えることがあります。条件がそろうと、さらに色の輪が重なります。水滴の大きさも輪の見え方に関係し、小さい水滴ほど光環は大きくなる傾向があります。
月暈は主に氷の結晶による屈折、光環は主に小さな水滴による回折。どちらも「月の周りに虹」と表現されますが、同じ現象とは限りません。
月暈・光環・月虹を見分ける比較表
| 現象 | 見える位置・特徴 | 主な仕組み |
|---|---|---|
| 月暈 | 月を中心とする大きな輪 | 氷の結晶による屈折 |
| 光環 | 月の近くの小さな色の輪 | 主に水滴による回折 |
| 月虹 | 月と反対側の空の虹 | 月光が水滴で屈折・反射 |
月虹(げっこう)は、月の光でできる虹です。月を背にして、前方の雨や水しぶきのある方向に見えます。月を囲む光の輪とは位置が違うので、まず「月と同じ方向か、反対方向か」を確かめましょう。
昼の虹の仕組みは、二重虹ができる理由と色の順番の記事でも紹介しています。
月の周りに虹が見えやすい条件は?
- 月が雲越しに見える:完全に曇って月が隠れると観察しにくくなります。
- 適した雲の粒がある:月暈には氷の結晶、光環には小さな水滴などの条件が関係します。
- 周りの明かりが少ない:街灯から少し離れると、淡い輪に気づきやすくなります。
満月前後の明るい月は観察のきっかけになりますが、満月の日だけに起こる現象ではありません。月が明るくても、雲の条件が合わなければ輪は見えません。
空一面に薄い雲が広がるときは、月から離れた大きな輪も探してみましょう。月だけをじっと見ると、輪の外側を見落とすことがあります。
スマホで撮るなら、まず広く写してみよう
- 肉眼でも輪が見えるか確かめる
窓ガラス越しを避け、レンズの汚れも拭きます。写真にだけ現れる光は、レンズ内の反射などの可能性もあります。 - 月暈は広い画角で撮る
月を大きく拡大すると、大きな輪が画面からはみ出します。建物や木も入れると、輪の大きさを伝えやすくなります。 - 端末を固定して、明るさを変えて比較する
夜景モードを試し、白く飛ぶなら露出を下げます。設定は機種によるため、1枚で決めず数枚撮り比べましょう。
光環は月の近くの淡い色を残すのが難しく、写真と肉眼で印象が変わることもあります。撮影時刻と、肉眼で見えた輪の大きさも記録すると、後から見分ける助けになります。
月の撮影で感じる大きさの違いは、月が大きく見えるのに写真では小さい理由も参考になります。
雨や地震の前兆なの?よくある疑問
月にかさがかかると、必ず雨になる?
月暈を作る薄い上層雲が、前線や低気圧に伴って現れることはあります。そのため、天気が崩れる目安として語られてきました。ただし、輪だけで雨の有無や降り始めの時刻は決まりません。外出の判断には地域の予報を確認しましょう。
地震や幸運のサインという話は本当?
月暈や光環は、雲と光の条件で説明できる大気の現象です。輪を見たことだけから、地震が起きる時刻や場所、個人に起こる出来事を予測することはできません。珍しい夜空として楽しむのがよいでしょう。
虹色の輪はいつも同じ大きさ?
代表的な22度の月暈は決まった角度にできますが、光環の大きさは雲の粒の大きさなどで変わります。「輪がある」という情報だけでは種類を断定できません。
まとめ:大きさと位置が、見分ける入口
月の周りに虹を見つけたら、まず輪が大きいか、月の近くに小さくまとまっているかを観察しましょう。大きな輪なら月暈、小さな色の輪なら光環の手がかりになります。
位置を確認し、広い写真と肉眼の記録を残す。それだけでも、似ている現象の違いが分かりやすくなります。
参考資料
- 英国気象庁:Optical effects(暈・光環の仕組み)
- 英国気象庁:Rainbows(月虹と虹の条件)
- 香港天文台:Halo and Corona(輪の特徴と色)
- 米国気象局:Lunar Halo(22度の月暈)

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