夜空に、赤や青にチカチカと色が変わる光を見つけたことはありませんか。「星なのか、飛行機なのか」と気になることもあるでしょう。
星が細かく点滅するように見える主な理由は、地球の空気が揺れて、目に届く星の光が変化するためです。とくに低い空の明るい星では、色の変化も目立つことがあります。
- 星のチカチカは、主に地球の大気による「またたき」。
- 赤や青に変わって見えても、星の温度が瞬間的に変わるわけではない。
- 正体を調べるには、光り方だけでなく動き・時刻・方角も確認する。
この記事では、点滅する理由、低い星ほど目立つ理由、飛行機や人工衛星との見分け方を、難しい数式なしで紹介します。
星が点滅する理由は「空気の揺らぎ」
星の光は、地球の空気を通って届く
星から来た光は、最後に地球の大気を通って私たちの目へ届きます。空気はいつも一様ではなく、温度や密度が違う部分が動いています。
そのような空気を通ると、光の進む方向が少しずつ変わります。目に入る光が増えたり減ったりするため、星の明るさが細かく変化して見えるのです。これが「またたき」です。
水面が揺れると、水の中のものがゆらゆら見える様子を思い浮かべると分かりやすいでしょう。星を見ているときには、目に見えない空気が、光の通り道を揺らしています。
星が電球のように点いたり消えたりしている、と考えなくて大丈夫です。NASAの子ども向け解説でも、またたきの原因を地球の大気中の空気の動きと説明しています。
参考:NASA StarChild「Why do stars twinkle?」
星自身の明るさが変わる場合もある
天文学には、実際に明るさが変わる「変光星」もあります。ただし、普段見える星の細かいチカチカを、すぐに変光星や星の爆発と結びつけることはできません。観察の時間間隔や、周囲の星との比較が必要です。
赤や青に点滅するのはなぜ?
白く見える星の光にも、さまざまな色の光が混ざっています。大気で光が曲がる度合いは色によって異なり、空気の揺らぎと組み合わさると、赤・青・緑などが一瞬強く見えることがあります。
星そのものの色が短時間で次々変わっているわけではありません。星本来の色と、大気を通った結果として見える色の変化を分けて考えるのがポイントです。
明るい恒星のシリウスは、色を変えながら強くまたたく星としてよく知られています。NASAも、シリウスのまたたきが目立ち、UFOと間違えて報告されることがあると紹介しています。
色の変化はほかの星でも起こります。見た日時、場所、方角、高さが分からなければ、星の名前までは決められません。
低い空の星ほどチカチカする理由
地平線や建物の上に見える低い星の光は、頭上の星よりも大気の中を長く通ります。その分、空気の影響を受けやすくなり、またたきが強く見える傾向があります。
同じ星でも、低い位置にあるときと、高く昇ってからでは印象が変わることがあります。晴れて星が見えていても、上空の空気が落ち着いているとは限りません。
観察するなら、低い明るい星と、高い空の星を比べてみるのがおすすめです。いつも必ず同じ結果になるわけではありませんが、大気の働きを実感しやすい比較です。
惑星は、どうしてまたたきにくいの?
金星や木星などの惑星も、肉眼では光の点に見えます。しかし恒星より地球に近いため、見かけの大きさを持つ小さな円盤として光が届きます。
円盤の各部分から来る光は、少しずつ違う揺らぎを受けます。それらが平均されるため、極めて小さな点に見える恒星より、明るさの変化が目立ちにくくなります。
ただし、惑星が絶対にまたたかないわけではありません。低い位置や大気の状態によっては、惑星も揺れたりチカチカして見えたりします。
明るい惑星が気になる方は、金星が明るい理由と見つけ方もどうぞ。
星・飛行機・人工衛星を見分ける比較表
| 候補 | 見え方の手がかり | 注意点 |
|---|---|---|
| 恒星 | 細かな、不規則なまたたき | 短時間では周りの星との位置関係がほぼ同じ |
| 惑星 | 比較的落ち着いた明るい光 | 大気の条件でまたたくこともある |
| 飛行機 | 規則的な閃光や複数の色の灯火 | 向かってくる機体は動きが分かりにくい場合も |
| 人工衛星 | 星の間を滑らかに移動する光 | 反射の条件で明るさが変わる場合も |
この表は目安です。色や点滅の一つだけで正体を断定しないことが大切です。飛行機が遠ければ音が聞こえないこともあり、人工衛星も常に同じ明るさとは限りません。
気になる光を確かめる3ステップ
- 建物と周りの星を目印に、少し観察する
数十秒から数分で、周りの星に対して位置が変わるかを見ます。星も時間がたつと動くため、「一晩中まったく動かない」という意味ではありません。 - 時刻・方角・高さをメモする
「午後9時、南東、屋根の少し上」のような記録でも役立ちます。写真は光だけを拡大するより、周囲も入れると照合しやすくなります。 - 星図と見比べる
星空アプリや星図に観察場所と日時を合わせ、明るい星や惑星の位置を確認します。アプリの方角表示はずれる場合があるため、周囲の星の並びも見ましょう。
スマホの動画でだけ細かく色が変わる場合は、手ぶれ、ピント、端末の画像処理も影響します。肉眼でも同じように見えるか確認してから、動画と比較してください。
星の点滅についてよくある疑問
宇宙から見ても星はチカチカする?
地球の大気を通さずに見る場合、大気の揺らぎによるまたたきは起こりません。地上の星空のきらめきには、私たちを包む空気も関わっています。
赤く光る星は、全部またたきのせい?
いいえ。星には本来の色もあります。赤っぽい恒星と、一瞬だけ赤や青に変わる現象は別の話です。まず色が安定しているか、短時間で変わるかを観察しましょう。
チカチカしていたら、天気が悪くなる?
またたきは光の通り道の空気の状態を反映しますが、それだけで雨の有無や時刻は予測できません。観察を楽しみつつ、天気の判断には地域の予報を使いましょう。
まとめ:星のチカチカから、大気の働きが見える
星が点滅したり、赤や青に変わって見えたりする主な理由は、地球の空気によって光の届き方が変わることです。低い空ほど影響を受けやすくなります。
光り方、動き、日時と方角を組み合わせる。この順番で確かめると、夜空の光を見分けやすくなります。
参考資料
- NASA Imagine the Universe:The Night Sky(恒星と惑星のまたたきの違い)
- NASA:Interesting Fact of the Month 2020(星の色、シリウスのまたたき)


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