火山雷とは?噴火で雷が起きる仕組みと普通の雷との違いをわかりやすく解説

噴火した火山の噴煙の中に稲妻が走る水彩イラスト

噴火する火山の噴煙の中に、稲妻が走る写真を見たことはありませんか?火山と雷が同時に現れる光景は、まるで空と大地がぶつかっているようにも見えます。

この現象は火山雷(かざんらい)と呼ばれます。なぜ噴火で雷が起きるのか、普通の雷と何が違うのか。観測例や研究の面白さもあわせて見ていきましょう。

この記事のポイント
火山雷は、噴火に伴って噴煙の中やその周辺で起こる放電です。火山灰の粒子や、条件によっては氷の粒子が帯電に関係すると考えられています。

火山雷とは?火山の噴煙の中に走る雷

火山雷は、火山の噴火に伴って生じる雷です。噴煙の内部を光が走ったり、噴煙と地面との間で放電が起きたりします。雷は電気が空気中を通る放電現象で、火山雷もその仲間です。

九州大学の研究では、桜島で観測された火山雷は、規模や時間の短さに違いはあるものの、普通の雷とよく似た仕組みを持つことが示されました。噴火のたびに必ず見えるわけではなく、放電が起きても、噴煙や昼間の明るさに隠れて見えにくい場合があります。出典:九州大学「火山噴火で生じる雷」

火山雷はなぜ起きる?火山灰と電気の関係

爆発的な噴火では、細かな火山灰や岩石の破片、火山ガスなどが勢いよく噴き上げられます。火山灰は燃えた後の灰ではなく、砕けた岩石やガラス質の細かな粒子です。出典:防災科研「火山災害」

噴煙の中では、これらの粒子が互いにぶつかったり、マグマが砕けたりする過程で電気を帯びます。帯電した粒子が分かれて電気の偏りが大きくなると、空気の絶縁を破る放電が起こり、稲妻として見えます。

静電気のたまった衣服がパチッと音を立てる場面を想像すると、電気がたまって放電する感覚はつかみやすいでしょう。ただし、実際の噴煙では粒子の大きさや水分、温度などが複雑に影響し、どの過程がどれほど効くかは噴火によって異なります。

高い噴煙では氷も関係する

噴煙が高く上がり、上空で水分が冷えると、氷の粒子が帯電に加わる場合もあります。アラスカのボゴスロフ火山の噴火を調べた研究では、火口近くでは火山灰などの衝突、上空の噴煙では氷に関係する帯電が優勢だった可能性が示されました。両者が連続的に働くという見方です。出典:米国地質調査所(USGS)掲載の研究

火山雷と普通の雷の違い

比べる点 火山雷 一般的な雷
起こる場所 噴煙の中や周辺 発達した雷雲の中や雲と地面の間
電気を帯びる物質 火山灰などの粒子。高い噴煙では氷も関係 雲の中の氷の粒やあられなど
きっかけ 火山の噴火で噴煙ができる 上昇気流などで雷雲が発達する
共通点 電気の偏りが大きくなり、放電が起きる

違うのは電気が生まれる環境です。どちらも電気を帯びた粒子が関わりますが、火山雷では噴火直後の火山灰が特に重要になることがあります。なお、火山雷の大きさや形は一様ではありません。

日本では桜島でも観測されている

日本では鹿児島県の桜島で火山雷が観測されています。九州大学の研究者らは、雷が出す電波や高速度カメラの映像を用いて、短い時間に起きる放電を調べました。暗い噴煙の中で起きる現象も、光だけでなく電波から追跡できるのです。

世界でも、火山の噴煙と雷が結びつく例が知られています。火山雷の観測は、視界の悪いときや夜間でも噴火の様子を把握する手がかりになり得ます。ただし、雷の有無だけで噴火の規模や安全性を判断することはできません。

火山雷を見に行ける?安全に知る方法

火山雷を見るために活動中の火口へ近づくことは避けましょう。噴石や火砕流、火山灰、火山ガスなど、噴火には雷以外にも危険があります。現地では立ち入り規制と避難情報を守り、気象庁や自治体が発表する最新情報を確認してください。

自宅からでも、研究機関が公開する映像や写真を通して観察できます。迫力ある光景を楽しむときは、いつ、どこで撮影された映像なのかも確認すると理解が深まります。参考:気象庁「火山噴火の仕組み」

まとめ:火山雷は噴煙の電気がつくる光

火山雷は、噴火に伴う噴煙の中や周辺で起こる放電です。火山灰の粒子が電気を帯び、条件によっては氷の粒子も加わることで、稲妻が生じます。火山活動と大気の電気がつながる、地球ならではの不思議な現象です。

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