変光星とは?明るさが変わる理由と脈動変光星・食変光星の違いを解説

青紫の宇宙を背景に、温かな光を放つ恒星を描いた水彩風イラスト

夜空の星は、いつも同じ明るさで光っているように見えます。しかし、何日も観察したり、精密に測定したりすると、明るくなったり暗くなったりする星があります。

変光星(へんこうせい)とは、観測される明るさが時間とともに変化する星です。星そのものが変化する場合もあれば、別の星に光を遮られ、暗く見える場合もあります。

この記事では、変光星の種類と明るさが変わる理由、脈動変光星と食変光星の違いを解説します。夜空でチカチカする「またたき」との違いにも触れていきます。

変光星とは?明るさの変化が星を調べる手がかりになる

変光星の変化には、規則的に繰り返すものも、不規則なものもあります。変化にかかる時間や明るさの幅も、星によってさまざまです。いつでも肉眼で変化が分かるとは限りません。

明るさを詳しく調べると、なぜ変化したのかを考えられます。国立科学博物館の「宇宙の質問箱」でも、変光星を調べることが、星の性質を知ることにつながると紹介されています。

つまり、変光は単なる光のちらつきではありません。遠くて直接触れられない星の内部や、近くにある別の天体を知るための情報なのです。

脈動変光星と食変光星の違いを比較

種類 明るさが変わる主な理由 注目するポイント
脈動変光星 星の外層が膨張・収縮し、温度や大きさが変わる 星自身の状態の変化
食変光星 連星の一方がもう一方を隠し、届く光が減る 星の配置と見る方向
回転による変光 暗い斑点などのある星が自転し、見える面が変わる 表面の明るさの偏り
爆発・噴出などによる変光 表面や周辺での活動、物質のやり取りなど 急な増光や不規則な変化

これは代表的な仕組みを整理した表です。変光星の分類はもっと細かく、一つの星で複数の仕組みが重なる場合もあります。

脈動変光星|星が膨らんだり縮んだりする

脈動変光星では、星の外層が周期的に膨張・収縮します。星の大きさや表面温度が変化し、放つ光の量も変わります。星全体が一瞬で消えたり、電球のスイッチのように点滅したりするわけではありません。

代表的な仲間に、ケフェイド型変光星やミラ型変光星があります。種類によって変化の速さや幅が異なり、明るくなる過程と暗くなる過程が対称とも限りません。英国天文協会の観測入門では、脈動の周期が星の種類によって時間単位から年単位まで広がることが説明されています。

「膨らんだときに必ず最も明るい」と単純には言えません。星が放つ光は表面積だけでなく温度にも左右されるため、大きさと温度を一緒に考える必要があります。

食変光星|2つの星が隠し合って暗く見える

食変光星は、連星を観察するときに起こる変光です。2つの星が共通の重心の周りを回り、地球から見て一方がもう一方の手前を横切ると、光の一部が遮られます。その結果、2つの星を合わせた明るさが下がります。

ここで重要なのは、見る方向です。すべての連星が、地球から見て食を起こすわけではありません。軌道をほぼ横から見る配置などで、星同士が重なって見える必要があります。

米国変光星観測者協会(AAVSO)の分類資料には、アルゴル型をはじめ、さまざまな食変光星が整理されています。同じ資料では、表面の斑点などと自転による変光や、物質の噴出などに伴う変光も別の仕組みとして扱われています。

明るさが変わっても、星自身が暗くなったとは限らない
脈動変光星は星自身の変化、食変光星は主に光を遮る配置の変化に注目すると、違いをつかみやすくなります。

変光星と星の「またたき」は同じ?

冬の星などが、短い間隔で赤や青にチカチカ見えることがあります。このようなまたたきは、主に地球の大気の揺らぎによって起こります。

星の光が温度や密度の異なる空気を通り、屈折の仕方が変わることで、見える明るさや像が揺らぎます。名古屋市科学館の解説資料(PDF)は、これをシンチレーションとして説明しています。

そのため、「今チカチカしているから変光星だ」とは判断できません。変光星も大気越しにはまたたきますが、大気の影響と、星や連星系で起きる変化は分けて考えます。

今見えている赤や青のチカチカが気になる方は、星が赤く点滅する理由と飛行機との見分け方も参考にしてください。光の変化だけでなく、動きや方角を確認する手順を紹介しています。

ケフェイド型変光星が「宇宙のものさし」になる理由

変光星は、宇宙の距離を調べることにも役立ちます。ケフェイド型変光星には、明るさが変わる周期と、星が本来放つ光の強さの間に関係があります。

周期を測って本来の明るさを推定し、地球から見た明るさと比較すると、距離を求める手がかりになります。同じ明るさの光源なら、遠いほど暗く見えるという性質を利用するのです。NASAのケフェイド解説でも、この関係による距離測定が紹介されています。

ただし、どの変光星にも同じ式を使えるわけではありません。星の種類を確かめ、途中の星間物質によって光が暗くなる影響なども考慮して測定します。

変光星はどう観察する?一度の明るさより記録が大切

変光を調べる基本は、同じ星を繰り返し測り、明るさと時刻を記録することです。時間を横軸、明るさを縦軸に並べたグラフを「光度曲線」と呼びます。

近くの明るさが分かっている星と比べる方法もあります。一晩の変化を追うのに向く星もあれば、何週間、何か月と記録を重ねる星もあります。薄雲や大気の状態も見え方に影響するため、観察条件をそろえることが大切です。

星の明るさが変わる理由を知ると、夜空は固定された点の集まりではなく、時間とともに姿を変える世界に見えてきます。食変光星を理解するための連星と二重星の違いや、別の距離測定法である年周視差の仕組みも、合わせて読むとつながりが分かります。

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