泥火山とは?泥が噴き出す仕組みと普通の火山との違い・日本の例を解説

泥が泡立つ小さな泥火山と周囲の自然を描いた水彩イラスト

火山と聞くと、真っ赤な溶岩を思い浮かべるかもしれません。ところが、地面から泥がぷくぷくと湧き出し、小さな山のような地形をつくる「泥火山」もあります。

泥火山はなぜできるのでしょうか?この記事では、泥が押し出される仕組みや普通の火山との違い、日本や世界の例をわかりやすく紹介します。

この記事のポイント
泥火山は泥・水・ガスなどが地表に出てできる地形です。地下の圧力によるものや、温泉地の熱水に関係するものがあり、成り立ちは場所によって異なります。

泥火山とは?泥やガスがつくる不思議な地形

泥火山(でいかざん)とは、地下から水を含む泥やガスが噴き出し、出口の周りに泥が積もってできる地形、またはその活動を指します。頂上に火口のような穴があり、周囲に泥が流れる姿は、名前のとおり小さな火山のようです。

大きさや形はさまざまで、泡が静かに出る小さな泥の池もあれば、長い時間をかけて広がるものもあります。泥火山という言葉は幅広い地質環境の現象に使われるため、一つの仕組みだけで説明はできません。出典:日本地質学会「泥火山」の定義・成因

泥火山はなぜできる?地下の圧力が泥を押し出す

堆積物が厚く積もった地域などでは、地下に水やガスを含む泥が閉じ込められ、地層にかかる力やガスの蓄積によって圧力が高まることがあります。そこに割れ目や断層などの通り道があると、泥や水、ガスが上へ押し出され、地表や海底から噴き出します。

この噴出が繰り返されると、出口の周りに泥がたまり、丘のような形になっていきます。天然ガスを含む堆積層に関係する例もありますが、すべての泥火山が同じガスを出しているわけではありません。出典:米国地質調査所(USGS)

温泉地の泥火山はどう違う?

日本の温泉地には、熱水や蒸気、ガスが関係する泥の噴出も見られます。熱水で変化した岩石などが泥となり、気体や水とともに動くタイプです。国土地理院の地形分類では、噴気地域の泥火山を火山活動による地形として紹介しています。

つまり、泥火山にはマグマの噴火と直接関係しないものも、火山や温泉の熱に関係するものもあるのです。出典:国土地理院「火山の活動による地形」

泥火山と普通の火山の違い

比べる点 泥火山 マグマを噴出する火山
主に出るもの 泥・水・ガスなど 溶岩・火山灰・火山ガスなど
原動力の例 地層内の圧力や熱水・ガス 地下のマグマや火山ガス
温度 場所によって異なり、熱水の影響を受けるものもある 溶岩は高温
できる場所 堆積層の厚い地域、温泉地、海底など マグマが地表に達する地域

泥だから必ず冷たい、危険がないとは限りません。熱い泥や有害なガスがある場所もあります。見学の際は管理者の案内に従い、立ち入り禁止区域へ入らないようにしましょう。

泥火山は日本のどこにある?

北海道・新冠泥火山

北海道新冠町の新冠泥火山は、油田地帯に見られる、火山作用とは直接関係しないタイプの例です。文化庁の文化遺産オンラインによると、断層に沿った亀裂からガスや地下水が上がり、泥土が噴出口の周りに積もっています。出典:文化遺産オンライン「新冠泥火山」

秋田県・後生掛温泉

秋田県の後生掛温泉には、温泉の熱や噴気と関係する泥火山が見られます。同じ「泥火山」でも、新冠のような堆積層の圧力に関係するものと比べると、背景が違うことがわかります。見学できる範囲や時期は現地の案内を確認しましょう。

世界にもある泥火山と、海底から現れる島

泥火山は陸上だけでなく海底にもあります。NASAは、パキスタン沖で泥火山の噴出により海面上に島が現れた例を紹介しています。地下の泥やガスが地層の割れ目を通って上がった結果で、できた島は波などによって侵食されることもあります。出典:NASA Earth Observatory

地球の内部から何が出てくるかによって、見た目が似た地形にも異なる物語があります。世界の不思議な地形については、湖に閉じ込められたアイスバブルや海底でできる枕状溶岩もあわせてご覧ください。

まとめ:泥火山は地下の動きが見える窓

泥火山は、泥や水、ガスが地表に現れてできる不思議な地形です。地下の圧力によるもの、温泉地の熱に関係するものなど、でき方は一つではありません。静かに泡立つ姿からも、普段は見えない地下の働きを想像できるのが面白いところです。

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