ブロッケン現象とは?影を囲む虹色の輪の仕組みと飛行機・山で見える条件

霧に映る人影と頭の周りの虹色の光輪・ブロッケン現象

霧の中に大きな人影が映り、その頭の周りに虹色の輪が浮かぶ。ブロッケン現象は、まるで自分が光を背負ったように見える不思議な光景です。

でも、その正体は妖怪や別の誰かではありません。自分の影と、小さな水滴が作る光の輪が重なって見えています。山だけでなく、飛行機の窓から雲を見下ろしたときにも、似た輪を見つけられます。

この記事で分かること

  • 人影は霧に映った自分の影。虹色の輪は「グローリー」と呼ばれる光学現象。
  • 基本の配置は、太陽を背にして前方に霧や雲を見ること。
  • 飛行機では、太陽と反対側の窓から下の雲を探すのが手掛かり。

ブロッケン現象とは?人影と虹色の輪を分けて考えよう

ブロッケン現象は、霧や雲に映った影と、その周りの虹色の輪が一緒に見える現象として知られています。名前はドイツのブロッケン山に由来します。

日本でも、後光を背負った姿のように見えることから、信仰と結び付けられてきました。只見町の案内では、飯豊山の参拝者が仏様に出会えたと受け止めた話が紹介されています。出典:只見町インフォメーションセンターの解説。

仕組みを理解するには、「暗い影」と「色の付いた輪」は別の効果と考えるのが近道です。影だけが霧に映ることもあり、いつでも鮮やかな輪がそろうわけではありません。

ブロッケン現象の仕組み:影は投影、輪は水滴による光の散乱

人影の正体は、霧の中へ伸びた自分の影

太陽を背にすると、体が光を遮り、前方へ影ができます。普段は地面に見える影が、霧や雲の中へ伸びて見えているのです。

霧は平らなスクリーンではなく、奥行きを持って広がっています。そのため、影が長くぼやけて映ると、大きな人が立っているような印象になります。霧が動けば、影の輪郭も揺らいで見えます。

虹色の輪「グローリー」はどうしてできる?

輪の正体は、グローリー(光輪)と呼ばれる現象です。霧を作る小さな水滴に入った光の一部が、太陽のある方向へ戻るように散乱します。

ここでは光の波としての性質が重要で、回折や干渉が色の付いた輪に関わります。普通の虹のように、光の折れ曲がりと反射だけを描けばすべて説明できる、という単純な仕組みではありません。

影と光輪を分けた説明や、水滴と光の関係は、大気光学の専門サイトAtmospheric Opticsの「Brocken Spectre & Glory」で図とともに解説されています。

ブロッケン現象が見える条件は?

まず意識したいのは、太陽・自分・前方の霧や雲の位置関係です。自分のいる場所に日が差し、その反対側に霧がある場面が手掛かりになります。

確認すること 見るポイント
太陽の位置 自分の背後にある
霧や雲 太陽と反対側、影が伸びる方向にある
日差し 霧があるだけでなく、自分の側まで光が届いている
地形と時刻 山の展望地などで、朝夕の低い太陽と霧が組み合わさる場面

環境省の礼文島での記録でも、夕方に太陽を背にして霧を見たとき、自分の影と光輪が観察されています。高山の山頂だけでしか起こらない現象ではありません。出典:北海道環境局「ブロッケン現象」。

飛行機から見える丸い虹もブロッケン現象?

飛行機の窓から、下に広がる雲へ映った機体の影と、その周りの小さな虹色の輪が見えることがあります。この光輪もグローリーで、日本では広くブロッケン現象として紹介されます。

探すときは、太陽と反対側の窓から、機体より下の雲を見るのが手掛かりです。雲の位置や飛行方向が変わるため、「右側の席なら必ず」「特定の便なら確実」とは言えません。

香港天文台の解説には、2011年に旅客機の乗客が撮影した実例があります。輪の中心は観察者から見て太陽と反対の方向にあるため、機体の影が映っていても、輪の中心がいつも機体の真ん中になるとは限りません。出典:香港天文台「The mysterious glory」。

普通の虹や太陽の周りの輪とはどう違う?

普通の虹もブロッケン現象の光輪も、水滴と太陽光が関係します。しかし、同じ大きさの虹が影の周りに縮んでいるわけではなく、光の作用や見える角度が異なります。

また、太陽そのものを囲む輪とも位置が違います。ブロッケン現象は太陽を背にする側に見えるのが大切な手掛かりです。輪を探して太陽を直接見つめる必要はありません。

ブロッケン現象についてよくある疑問

一緒にいる人も、同じ人の頭に輪が見える?

山で並んで見ていても、それぞれが自分の頭の影を中心とする光輪を見ます。他の人の影が見えても、その人の頭を中心に同じ輪が見えるとは限りません。光輪の中心が観察者の位置に結び付いているためです。詳しくは前述の香港天文台の解説を参照してください。

見ると幸運になるというのは本当?

珍しい光景を幸運の印と受け止めるのは、楽しみ方の一つです。ただし、現象が将来の出来事を予告するという意味ではありません。霧と光が重なった自然現象として味わえます。

山では影に近づいて撮影した方がよい?

影を追いかける必要はありません。霧があると崖や斜面の距離感がつかみにくくなるため、安全な足場で立ち止まって観察しましょう。環境省の鳥甲山での記録でも、撮影に夢中になって覗き込むことへの注意が添えられています。出典:中部環境局「鳥甲山でブロッケン現象」。

まとめ:自分の影と小さな水滴が作る光の輪

ブロッケン現象は、霧に映った影と、水滴が作るグローリーが重なって見える光景です。太陽を背にして、前方の霧や雲を見ることが探す際の基本になります。

山の大きな人影も、飛行機の影を囲む丸い輪も、光と水滴の関係を知ると見え方が変わります。空に現れる光の不思議に興味がある方は、サンピラーの仕組みや、ダイヤモンドダストが輝く条件もどうぞ。

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